読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

カタガキナシ

カタガキナシのオフィシャルブログです。

カタガキナシ

全身サインだらけのジャンパーを着てタレント事務所のオーディションに行った時の話

 

  

今から1年ほど前、とあるタレント事務所が主催するオーディションに行った時の話です。

 

 

 

 

 

私はその主催のタレント事務所の方と知り合いになり、その方からオーディションの話を聞き、とてつもなく暇だったので行ってみることにしました。

 

 

 

オーディションの内容は、事務所のPR用の動画に出演するタレントを選出するものでした。

 

 

私はタレント活動など全く未経験なので、間違っても受かることはないなと思いました。

 

 

しかし、「せっかくだから何か爪痕を残して帰りたい」と自分の中に眠っていた自己顕示欲が変なタイミングで姿を現しました。

 

 

演技も、歌も、ダンスもできない。そんな私がアピールするには一体どうすれば…。

 

無い脳みそを絞って必死に考えていると、ふとこんなものが眼に入りました。

 

f:id:TachiTK:20170510185328j:plain

 

 

ペレのサインです。

 

 

友達へのプレゼントのため私が書いたのですが、返されてしまったものです。

 

 

「これだ…。」

 

 

 

アイデアが閃きました。

 

 

 

クローゼットを開け、ボロボロのジャンパーを取り出し、そこに白いポスカで芸能人のサインを書けるだけ書き殴る。

 

 

 

そうしてできたのがこのジャンパー。

 

 

f:id:TachiTK:20170509205657j:plain

 

 

 

 

 

 

 

自分に披露できる芸が一つも無い以上、出会い頭のインパクトで勝負するしかない。せめてショックを与えて帰ろうと考えました。

 

 

 

どんなものが書いてあるかというと…。

 

 

 

 

f:id:TachiTK:20170509211459j:plain

 

綾瀬はるかのサインです。

 

私が芸能人のサインの中でもっとも得意とするサインです。

 

 

 

f:id:TachiTK:20170509212206j:plain

 

内田有紀のサインです。

 

「田」の字の崩した感じを再現するのに手間取った記憶があります。

 

 

 

f:id:TachiTK:20170509213226j:plain

 

プラスチックリサイクルマークです。

 

なぜこれを書いたのか、全く記憶にありません。謎です。

 

 

 

 

ちなみに裏にもいろいろ書いてあります。

 

f:id:TachiTK:20170509214821j:plain

 

 

今となっては、達筆すぎてどれが誰のサインなのかさっぱりわかりません。自分で書いたのに。

 

 

 

f:id:TachiTK:20170509232449j:plain

 

ねこちゃん。

 

 

 

 

全身サインだらけでいざ出陣

 

いよいよオーディション本番当日がやってきました。

 

 

 

サインだらけのジャンパーを着て、大通公園を通り会場へ向かう。

 

通りがかりの人からは「ヤバッ」「ウケるw」など様々なリアクションをいただきました。やはり注目度は上々。

 

 

 

通行人の視線を浴びながらオーディション会場へ到着。

 

控え室に案内されると、すでに他の参加者がちらほらと集っていました。

 

それぞれ小道具の用意だったり、他の参加者と談笑していたりと各々の待ち時間を過ごしていました。

 

その中で私は、知り合いも特にいないため、ぼーっとしながらただオーディションの始まりを待っていました。全身サインだらけで。

 

 

 

この時、「家から着てこないでここで着替えればよかった」と思いました。

 

 

 

 

そうしているうちに案内のアナウンスがかかり、オーディション会場へと案内されました。

 

ドアをノックして会場へ入ると、劇団の主宰者や大手芸能プロダクションの社長、地元テレビ局のプロデューサーなど様々な分野から集められた総勢10名ほどの審査員が座っていました。

 

 

参加者も審査員たちの前に横並びになり、まずは一礼。

 

私の方を見ている審査員もいましたが、リアクションはいたって普通のものでした。

 

 

まずい。ファーストインプレッションで衝撃を与える作戦なのに、普通の対応をされてしまった。

なぜ何もリアクションをしない?全身サインだらけのジャンパーをきた奴が何食わぬ顔でオーディションに来ているのに。

 

 

「もしかして…スベってる?」

 

 

 

 

一抹の不安に駆られながら、オーディションが始まりました。

 

 

自己紹介をすると、事前に用意された演技課題をするように言われました。

 

内容は「昨日嫌なことがあったけど勇気リンリンポーズで自らを鼓舞する」というもの。

 

 

勇気リンリンポーズって何だ?よくわからないがやるしかない。 

 

 

朝起きてカーテンを開ける動作をした後、この構えをとった。

 

f:id:TachiTK:20170510180823j:plain

 

 

前日にGoogleで「鼓舞 構え」で画像検索したら、ミッ○ーマウスがこんなポーズをしている写真があったのでその真似をしてみたのです。

 

ありがとうミッキーマ○ス。

 

 

 

審査員が呆気にとられる中、目を思い切り開き

 

 

 

「破!!!」

 

 

 

と叫んで舞台袖に退場した。

 

 

他の参加者が少しざわつき始めた。

 

よしよし、順調だ。心の中でほくそ笑む。

 

 

 

個人のアピールタイムが終了した後、審査員の一人から参加者全員にこんな質問が投げかけられた。

 

 

「みなさんの尊敬する人を教えてください」

 

 

大体の参加者は、自分の親だったり歴史上の偉人などの名前を挙げていました。私以外は皆タレントとしてのチャンスを掴み取るために来ているので、好印象な受け答えでした。

 

 

 

私に回答の順番が回ってきた。

 

 

「カーネル・サンダース氏です」

そう答えました。

 

 

鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしながら、審査員はさらに理由を聞いてきたので

 

 

「顔ですかね」

 

 

と答えると、会場の全員が笑っていた。

 

この日一番手応えを感じた瞬間でした。

 

 

でも、結局最後までジャンパーのことは誰も触れてくれませんでした。

 

 

 

 

 

帰り道、オーディションの前まで感じなかった高揚感を感じました。

 

 

せっかく作ったジャンパーはウケなかったけど、アピールの時にした構えと質疑応答で笑いが取れた。このことで少しだけ自信がついたような気がしたのです。

 

 

冷やかしで行ったオーディションですが、以外と得たものはあったような気がしました。

 

 

 

 

 

ちなみに、後日届いた審査評にはこんなことが書いてありました。

 

 

 

 

f:id:TachiTK:20170510184132p:plain

 

 

 

普通にダメ出しされました。